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任意の周期数列を作る その3

目次

その1: 任意の周期数列を作る その1 - 冷水催眠
      周期  2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 8

その2: 任意の周期数列を作る その2 - 冷水催眠
      周期  12,\ 3・2^m,\ 2^m

その3: ココ
      周期  m



前回までの記事、MathJax を使いまくってたせいでメチャクチャ重いページになっていたのに今更気づきました。次からは気をつけます!(修正するとは言っていない)


今までの話を一般化して、周期  m \hspace{10px} (m \ge 3) の周期数列  \{a_n\} の一般項を作ります。

 m 2 で割り切れるだけ割って奇数にし、その奇数個だけ独立な数列を作ってから  2 倍ずつ増やしていくという手順で作ります。

周期 m(奇数)


まずは  {a_n} の周期  m が奇数のときです。

周期  m の任意の数列を作るには一次独立な異なる数列が  m 個必要ですから、次の規則に従って  m 個の数列  f_m(n,\ 0) f_m(n,\ m-1) を作ります。


f:id:hge:20160318011215p:plain


すると、 \{a_n\} の一般項は係数  t_1 t_m を用いて次のように表せます。

 \displaystyle a_n = \sum_{k=1}^{m} {t_kf_m(n,\ k-1)}

係数  t_1 t_m は次の行列で与えられる実数です。

f:id:hge:20160318000929p:plain


 m が奇数のときに上の逆行列が存在することはどうしたら証明できるんでしょうかね・・・

 m=3 から  m=29 のときに逆行列を持つことは確認済みです。

 m が大きくなるごとに行列式の絶対値が増えていっているので恐らく大丈夫なはずです・・・・・・多分・・・・・・・・・(っ◞‸◟c)


周期 m(偶数)

次に、作りたい数列の周期  m が偶数のときを考えます。

 m 2 で割りきれるだけ割ったら奇数  p になったとき、適当な自然数  k を用いて  m=2^k \times p と書けます。

 p は奇数なので、上に書いた通りに  p 個の数列  f_p(n,\ 0) f_p(n,\ p-1) を作ると周期  p の任意の周期数列の一般項が作れます。

それを[前回の記事]でやったように、周期を2倍にする操作を  k 回行うことによって、周期  m の数列の一般項を作ることができます。

周期  p の任意の周期数列の一般項は  \displaystyle \sum_{i=1}^{p} {t_if_p(n,\ i-1)} と表せますが、これに次の操作を  k 回施します。


f:id:hge:20160318011655p:plain


 \displaystyle \operatorname{sgn}\left(\sin{\frac{(2n-1)\pi}{2a}}\right) は0にならないので  \displaystyle \frac{\sin{\frac{(2n-1)\pi}{2a}}}{\left|\sin{\frac{(2n-1)\pi}{2a}}\right|} とも書けます。前回の記事と同じ処理をしていることになります。

自分でも上の式で合ってるのかよく分からないのですが、具体例を書けば多分伝わります。


具体的には、 \displaystyle \sum_{i=1}^{p} {t_if_p(n,\ i-1)} は1度目の延長操作で

f:id:hge:20160318001937p:plain

となり、2回目の延長操作で (sgn(~)をfp(n, k)に含めてΣを結合し、Σの範囲を1から2pとして変換する)

f:id:hge:20160318001945p:plain

となり、3回目の延長操作で

f:id:hge:20160318001951p:plain

となり・・・・・・ といった感じで2倍2倍2倍2倍と伸ばしていきます。

 k 回伸ばしたら周期  m の一般項の原型の出来上がりです!


あとは係数  t_1 t_m を求めるだけです。

 m が奇数のとき、係数を求めるのにでっかい行列の逆行列を使っていました。

その逆行列

f:id:hge:20160318003417p:plain

とおきます。そして

f:id:hge:20160318004013p:plain

というように行列をさらに  k 個作ると、 A_m = A_{2^k \times p} に到達します。


そのとき、一般項の係数  t_1 t_m

 {
\left(
    \begin{array}{c}
        t_1 \\
        t_2 \\
        t_3 \\
        \vdots \\
        t_m \\
    \end{array}
\right) = A_m
\left(
    \begin{array}{c}
        a_1 \\
        a_2 \\
        a_3 \\
        \vdots \\
        a_m \\
    \end{array}
\right)}

で求められます。


書き方や表現が違いますが、今までやってきたことは前回の記事の後ろの方でやったことと全部同じ原理です。

実質的に異なるところは周期が任意の奇数の数列を作ったところだけです。

実際に1つ周期数列の一般項を作って、この記事を締めくくりたいと思います。


周期数列 1, 1, 4, 5, 1, 4, 1, 9, 1, 9, 1, 1, 4, 5, 1, 4, 1, 9, 1, 9, ...

ふ・・・深い意味なんてないんだからねっ!///


この数列の周期は  m=10=2^1 \times 5 です。

まずは①,②,③に従って  5 つの数列を作ります。


f:id:hge:20160318004833p:plain


上の5つの数列の一次結合は  \displaystyle \ \sum_{i=1}^{5} {t_if_5(n,\ i-1)}\ となります。

 5 \times 2^1 = 10 なので、求める周期数列の一般項は1回の延長操作をして

f:id:hge:20160318013103p:plain

と表せます。


次に係数  t_i を求めます。 5 次正方行列  A_5

f:id:hge:20160318013602p:plain

で定めます。

次に、 10\ (=m) 次正方行列  A_{10}=A_m

f:id:hge:20160318005236p:plain

で定めます。

この  A_m から、係数  t_i が次のように求まります。

f:id:hge:20160318005333p:plain

これを  (1) 式に代入すれば、求める一般項は

f:id:hge:20160318010226p:plain

となります!


欠点

この方法の欠点はコンピューターでの浮動小数点計算には向いていていないところ、そしてグラフが連続ではなくボッコボコで汚いところです。

コンピューターで一般項を浮動小数点計算すると本来  \operatorname{sgn}(0)=0 となってほしいところが  \operatorname{sgn}(0.00000000000001)=1 などと評価されてしまうことがあります。これは  n \equiv 0 \pmod{m} のときに発生してしまいます。


周期が  2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 8,\ 12,\ 3・2^m,\ 2^m のときは式もグラフもきれいで  \operatorname{sgn} とかいうチートツールを酷使しない前回までの方法を使おうね!おねーちゃんとのお願いだよ!


そういえばはてなブログなんかにこの話載せちゃっていいのだろうか・・・・・・?